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今回の旅でぜひ行ってみたい場所があった。

華陰街から承德路に出て、北に進み、太原路という細い路地を入る。

この辺りは、問屋街らしく、おおよそ観光客が訪れるような町ではなかった。

日星鑄字行日星鑄字行


日星鑄字行 (Ri Xing Type Foundry)

今はパソコンやプリンターの普及によって、ほとんど見ることがなくなった活版印刷の店である。

店内の棚を埋め尽くすおびただしい数の活字。

漢字だけではなく、アルファベット、数字などもあり、字体はゴシック体、楷書、明朝体の3種類、これに文字の大きさが7種類、同じ字が数個ずつあるから全部で数百万個以上あるという。

日星鑄字行日星鑄字行


宮沢賢治の 「銀河鉄道の夜」 には、主人公ジョバンニが 「活字拾い」 のアルバイトをするシーンがあるが、まさにそのもの。

ジョバンニはアルバイト代に銀貨を一枚もらい、帰り道、母親のためにパンと角砂糖を買ったが、

私たちはここで、日本の友人への土産を買った。


さて、活字屋さんを出て、台北駅に移動、MRTで空港に向かう。

台北駅桃園国際空港


行きはピーチだったが、帰りはタイガーエアを使った。

こんな風に時間に合わせて片道単位でフライトを決められるのがLCCのいいところである。

桃園国際空港を14:20に出発した飛行機は関空に17:45に着いた。

この旅もこれで終わりである。

ついでに言うと去年の正月に行った旅のブログもこれで終わりである。

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日がたつにつれて、細かい記憶が薄れ、書く気力もなくなってしまい、つい、だらだらと書き上げるのに1年以上かかってしまった。

台南への旅行から帰国した後、すぐ新型コロナ騒動が起きたので、夏休みも正月休みも旅に出られなかった。

今年の夏にコロナが収まっていたらうれしいが、ちょっと難しいだろう。

いつか、完全に収まって大手を振って海外旅行に行ける時が来たら行きたいところはまだまだある。

スリランカでカレーも食べたいし、スペインでバル巡りもしたい、もし、長めの休みが取れれば、南米にも足を踏み入れてみたい。

そうなれば、マチュピチュ、ウユニ塩湖、ナスカの地上絵、セビッチェ、シェラスコ・・・、

クイってどんな味?

結局、いろいろと食べてみたいものがたくさん・・・みたいなことになるのだが、まだまだ、現地で食べてみたい料理は山ほどある。


最後に、早くコロナが終息して、私に暇とお金が訪れることを心より願うとともに、みなさまのご健康と今後のご活躍をお祈りして、このブログの締めとさせていただきたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。











おっは~!

今回泊まったホテルには朝食がついていなかったので、ぶらぶらと街を歩いて、朝ご飯を食べられる店を探した。

台湾も都会化したのか、マクドナルドや 〇〇ドーナツといったアメリカナイズされたチェーン店はたくさん見つかったが、できれば麺とか粥とか湯とか、台湾らしい朝ご飯をいただきたい。

30分は歩いただろうか、「もうどこでもいいわ」 と思い始めて、ホテルの近くに戻ってきたら、一軒の食堂が開いていて、ここで食べることにする。

華陰街無名面店華陰街無名面店


半オープンスペースに簡易なテーブルとイス、そう! これこそ、私たちが追い求めていた台湾の朝食のイメージ。

お腹もすいていたので、全員一致でこの店に入ることに決定~!!。


ここ 看板や店名がないので「華陰街無名面店」と呼ばれているようだ。

華陰街の名も無き麺屋・・・何かミスチルの歌みたいでカッコいいぞ。そういえば京都にも名前のないラーメン屋というのがあったな、さらに言うと奈良にも「鳥安」という店名こそあるものの看板のない店があるぞ。


メニューは麺類が中心で、あと 一品がいくつか。

それぞれ、自分が食べたいと思うものを注文。

華陰街無名面店華陰街無名面店


左:切仔米粉
ラーメンとうどんの中間のようなあっさりスープに細めのビーフン、具はもやし、ネギとシンプル。30元。

右:炸醤麺(ジャージャー麺)
濃厚胡麻味噌ソースの和え麺。しっかり混ぜて。40元。

華陰街無名面店tainan20-1[380]


左:陽春麺
私が頼んだ麺料理。「陽」「春」と字の組み合わせから、とっても明るい元気はつらつな料理がで出くるかと思って注文したのだが、具がほとんど入っていない麺、ということであった。30元。

右:青菜炒め
小松菜みたいな青菜に干しエビなどの具、オイスターソース炒め。30元。4品食べても130元(=480円)。コストパフォーマンス最高!



ところで、帰国してから調べたのだが、この店、けっこう評判がいい。

下の画像を見ていただきたい。

グーグルのローカルガイドによると、

華陰街無名面店


なんと、口コミの平均が、

4.7 である。

これは、食べログ評価 全国一位の「日本橋蛎殻町 すぎた」の4.80と肩を並べる数字であり、奈良で一番高い「アコルドゥ (akordu)」 の4.26を遙かにしのぐものである。


もしかしたら、客が大挙して押しかけてくることを避けるために店名も付けず、看板もかけず、ひっそりと営業しているのかもしれない。

私たちは偶然にも ものすごい店を見つけてしまったようだ。


華陰街無名面店
103台北市大同區華陰街157號
7時00分~20時00分
月曜日、定休日










西門は台北の原宿、娘が服やら靴やら買いたいというので、小一時間ほどつきあった。

その後、晩ごはんに行った。

西門にはこじゃれたレストランや若者が好きそうなバエーな店は山ほどあるが、おっさんにとっては入るのに勇気がいる。


こんなときは少し雑踏から離れた場所で探すのが吉である。

グーグルで熱炒(台湾で居酒屋)で調べて見つかったのがこの店。

宜蘭大渓港現撈海鮮熱炒宜蘭大渓港現撈海鮮熱炒


宜蘭大渓港現撈海鮮熱炒

店頭には活魚が並んでいて指をさしての注文もできる。

店内ほぼ満席で入る隙はなさそうだ。

もちろん予約してたわけではないので、入り口で待っていると2階に案内された。

円卓が7つほどあり、全体的にはがらんとしていたが、そのうち一つのテーブルで数人のおっさんグループが飲んでいた。


宜蘭大渓港現撈海鮮熱炒


私たちはそこから少し離れたところの席に案内された。

写真付きのメニューがあったので、漢字のメニューと合わせて何を注文するか考えていると男女15人ぐらいの団体客が入ってきた。

どうも最初からいたおっさんと同じ団体らしく3テーブルで20人ぐらいの宴会が始まった。

だいたい中国人は声が大きい。これが酒の席ともなるとなおさらである。


まるでパチンコ屋で食べているかのようだ。

ただ、音量が大きいだけならまだいいのだが、ときどき、まるで喧嘩でも始まったかのように声が高くなることがあって、思わず何があったのかと振り向いてみるのだが、特に何かあったわけではなく、その後、また大きな笑い声が起きるのである。




宴がたけなわになり、おっさん、おばはんたちはさらに盛り上がり、泣き出す女性、キスをし始める人たち(男性どうしも)も出始めたとき、

二人の男が取っ組み合いのけんかを始めた。

中に入って止めようとする男性、さらに泣き出す女性、我関せずと食べ続ける人。


場内はカオスと化していた。

私たちはなぜこんなところでご飯を食べているのか。

けんかを始めた男たちは互いに引き離され、別の男性に諭され、やがて落ち着きを取り戻し席に着いた。

その後、仲裁がうまくいったのか、けんかを始めた二人は仲直りの握手をし、場内は拍手に包まれた。


私たちも成り行きで拍手をしておいた。


何だったんだ、この時間は・・・










帰りの新幹線のチケットはKKdayというサイトで出発前に取ってあった。

外国人限定で20%割引というお得なチケットである。

台鉄台南駅から高鐵台南駅まで移動し、16時40分発の新幹線で台北に向かう。


台湾新幹線新駅旅店 台北車站二館


チャラッチャッチャッチャチャーラッラーチャーラー♪

台北までは2時間ちょっと、車窓の風景をアテにビールなんかを飲んでいると、あっという間に台北駅に到着した。

まずはこの日の宿探し。

駅の北側に安宿が集まっていると、何かの本に書いてあったが、実際はほとんど見つからず、やっと見つけたゲストハウスは一部屋しか開いていないからか強気の値段であった。

こんなときは文明の利器を使う。

グーグルマップで近くのホテルを検索し、見つけたのが、ここ。


台湾新幹線新駅旅店 台北車站二館


新駅旅店 台北車站二館。

オレンジを基調にしたやたらとポップな外観、中もあちこちにキャラクターが描かれ、

なかなか落ち着かない雰囲気。

ただ、フロントには日本語が(少し)できるスタッフがいて、部屋を見せてもらうと清潔感もある。

少し予算オーバーではあったが、今日の宿はここに決める。



宿の次は飯である。


シティイン ホテル台北ステーション ブランチ II
No. 81號, Chang'an West Road, Datong District, Taipei City, 台湾 103
+886 2 2555 5577








赤崁楼の近くに赤崁担仔麺という担仔麺の店があってガイドブックなどにも紹介され、旅行者にも地元の人たちにも人気だという。

赤崁担仔麺赤崁担仔麺


ぜひ、ここは台南発祥の麺料理、担仔麺(タンツーメン)をいただきたい。

注文はいたって簡単、写真メニューを見ながら、注文票に赤鉛筆で必要個数を記入する。


メニューはこんな感じ。

赤崁担仔麺赤崁担仔麺赤崁担仔麺
赤崁担仔麺赤崁担仔麺赤崁担仔麺
赤崁担仔麺赤崁担仔麺赤崁担仔麺


一番最後の写真にあるのだが、ミニマムチャージ制で

「一人最低150台湾ドル注文してください」

と、英語、日本語、ハングルで書いてある。

担仔麺が 65台湾ドル なので担仔麺だけ食って帰るな ということだろうが、まあ、せっかくなので、担仔麺以外もいろいろといただいてみたい。

どうせビールも飲むのだから、150台湾ドル(550円ぐらい)はいくだろう。


今回いただいたもの。

赤崁担仔麺赤崁担仔麺


左:担仔麺
あっさりした海老出汁スープ、中太麺。トッピングは肉そぼろに海老、パクチー。台湾で小吃と呼ばれる小サイズ。

右:麻油鶏肉麺線
そうめんを温かい出汁でいただくいわゆるにゅうめん。鰹だしのスープに胡麻油と鶏肉。

赤崁担仔麺赤崁担仔麺


左:総合滷味
台湾の煮込み料理、台湾風おでん ともいわれる料理だが、豚のモツが中心でかなり臭いがきつい。夜市の屋台などでよく見かけたので注文したが、ちょっと残してしまった。

右:燙青菜
湯通ししたレタスオイスターソースで味付け。台湾でよく見るメニュー。

赤崁担仔麺赤崁担仔麺


左:筍干爌肉飯
角煮ご飯のメンマ添え。とろっとろに煮込まれた豚の角煮にシャキシャキのメンマ。

右:台湾ビール
金牌台湾啤酒130元、蘋果西打(アップルサイダー)30元。


歩道に出されたオープンな感じのテーブルでいただいたが、隣は地元の高校生らしきグループで、

担仔麺を一杯ずつ食べていた。

しかも、ペットボトルのお茶やジュースを思いっきり持ち込んで・・・。それでも、店の人が特に嫌な顔をするでもなく普通に接していた。

なるほどそういうことか。

はじめにも書いたが、観光地が近いので観光客用の店かといったらそうでもなく、地元の人たちからも愛される店なのだろう、ただ、ちょっと複雑な気分になったのであった。


赤崁担仔麺
台湾台南市中西區民族路二段180號
(+886) 062205336
11:00~21:00
無休